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〜りんご〜
この季節、青森ではりんごの花が満開だ。蕾の時は薄いピンク色だが、開くと白くなる。同じバラ科の桜は花が咲いてから葉が出るが、リンゴは葉と花は同時に現れる。薄緑の若葉と白い花のアンサンブルは実に上品だ。昨年、残雪残る岩木山と麓に広がる一面のりんご畑を見て感動した。見事に調和している。美しい。ところが残念なことに、その後農薬散布が行われる。遠くから見ても分かる程、すべての葉っぱが白く見える。勿論農水省・厚労省の認可を得た農薬だそうだが、何かしら心配だ。
《木村秋則著「リンゴが教えてくれたこと」日本経済新聞出版社》を読んだ。著者の木村さんは、NHKテレビ「プロフェッショナル 仕事の流儀」に出演されていた。無農薬・無肥料栽培の第一人者だ。害虫や病気との闘いなど長年の苦労の甲斐あって、理想の農業を成功させた。今も尚、進化している。彼の考え方の基本は「自然との共生」だ。害虫は虫が食べてくれる。雑草は土の温度を調整してくれる。雑草の中で育ったリンゴや稲、野菜や果物は地中深く根を張っている。抵抗力抜群なのだ。風水害にも強い。人間も同じではないか。
我々の大先輩の音楽家は、まさに無農薬・無肥料で育った。自分で考え、技を編み出し、試行錯誤を繰り返し、新しい技術を身につけ表現してきた。間違いや失敗も数多くしてきたに違いない。我々はその先人達のエキスを吸って育ってきた。情報も溢れるほどある。ヨーロッパ文化に触れることも容易い。便利だ。多肥料なので、根を深く張らなくても養分を摂れる。このままで良いのだろうか。物言わぬ植物に叱られそうな気がする。
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